美味しい台所-page.3「柚子」
スーパーで柚子を見かけるようになると、冬の訪れを感じる方も多いのではないでしょうか。
柚子は、生産量・消費量共に日本が最大だそうで、
日本の中では、収穫量が1番の産地は四国の高知、2番目も同じく四国の徳島となっています。
東京にお嫁にやってきた私の実家は徳島。
柚子は、子供の頃から当たり前に食卓にのぼる身近な食材でした。
冬になると、柚子の果汁とみりん、お砂糖を味噌と混ぜて母が仕込む柚子味噌。
半分に切って身を取り出した柚子の皮を器に柚子味噌を詰め、
卓上コンロで炙りながらごはんにのせていただくのが大好物でした。
(これが徳島の地元の方の食べ方なのか、
我が家だけが食べていたものなのかは今となっては不明ですが…)
はちみつを楽しむワークショップで講師をしてくださった
YUKI FOOD DEGIN の小林幸さんは、
生まれ育った東京から現在は徳島へ移り住まわれ、私と逆の不思議なご縁。
そんな小林さんから、徳島の柚子の産地である木頭を訪ねて
地元の方から教えてもらったという柚子のお話のお便りをいただきました。
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秋も深まり、暦の上では冬を過ぎましたね。
店頭に並ぶ野菜もカブや大根など根菜が充実してきましたが、
冬の素材を引き立てる素材といえば、、「柚子」
漬物に入れたり汁物の香りづけにしたりと、
冬の食卓をに上品な香りを添える、名脇役です。
徳島市内から車で約2時間半、高知との県境の山間部にある徳島県那賀町木頭に訪れて、
お話をうかがって参りました。
山間部に位置する木頭地区は、寒暖差が激しく、夏は暑く冬は雪が積もるほど。
「木頭ゆず」は、その木頭地区で、古くから栽培されていた在来のゆずで、
昔は棚田だった場所をゆずの段々畑として生かし、今も丁寧に栽培されています。
特徴として「大玉」「外観が美しい」「色や香りがよく高品質」であることが挙げられる「木頭ゆず」。
今ではフランスでスイーツに使われたりとヨーロッパでも高い評価を得ています。
そして、11月はゆずの最盛期。
霜が降りる12月以前にとにかく全部収穫しなければなりません。
実は、ゆずには長くて鋭いトゲがあり、
全てが手作業での収穫となるので想像以上に大変だそうです。(私も収穫体験してみましたよ)
そんな大変な思いをして収穫してくださっている柚子を、
無駄なく使い切るコツを、地元の方に教えていただきました。
ゆずは、おおまかに「表皮」、「果肉」、「果汁」、「種」に分けられます。
部位によって役割が異なるため分けて保存するのがコツ
「表皮」は香りづけに。
きれいな黄色は見た目にも鮮やかで、いろいろなお料理のトッピング、
お菓子やデザート作りにもお使いいただけます。
まず、ゆずの皮をくるくるとむいて表皮をそぎ取ります。(写真右・真ん中)
その後、表皮を千切り(またはみじん切り)にします。(写真左)
このみじん切りにした部分を小分けにして冷凍保存すれば、
年中ゆずの香りを楽しんでいただけます。
「果肉」は量が多くないので、薄皮と一緒に柚子ジャムにしたり、
スプーンで果肉を取り出してゼリーなどに。
「果汁」はお酢の代わりにお料理に。
絞った果汁はそのまま小分けにして冷凍保存しても〇
柚子味噌、柚子胡椒などもいいですが、さっと作れるこんな簡単レシピはいかがですか。
ゆずレシピ1:「自家製ポン酢」
<材料>
・お好みだし醤油
・ゆず果汁
ゆずは、半切りにして果汁を絞り、種を除きます。
だし醤油とゆず果汁を1:1の割合で混ぜ合わせれば、自家製ポン酢の出来上がり。
酸っぱい味がお好みでしたら、ゆず果汁を増やしてお好みの味にご調整ください。
だし醤油がなければ、めんつゆでもOK。瓶などで保存し、早めに使ってくださいね。
ゆずレシピ2:「ゆず大根」
さっぱりした味で、年末年始のお鍋や、濃い味のお料理の箸休めにぴったり。
<材料>
・大根 20cmくらい
・ゆず 1/2個
・昆布 5cmくらい
・塩 少々
大根は皮をむき、薄切い半月切りにします。
ゆずは、半分にカットし、果汁を絞っておきます(タネは取り除く)。
ボウルに切った大根、ゆず果汁、昆布、塩を入れて軽く混ぜ合わせ、
タッパーまたはジッパー付き袋で、一晩寝かせれば完成。
作ってから2日〜3日頃が食べごろです。
刻んだ皮を入れると彩りがきれいです。
「種」は化粧水に。美白効果もあるそうです。
旬の香り高い柚子を、どうぞまるごと活用くださいね。
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小林さん、徳島県の木頭から柚子のお話をありがとうございました!
私も小林さんから教えてもらった通り、
千切りにした柚子皮を冷凍保存に、果汁はポン酢に使ってみました。
早速、餅入り味噌汁に柚子皮をぱらぱら。よい香り〜
柚子はビタミンCやクエン酸、ペクチンが豊富に含まれ栄養もたっぷり。
皆さまもぜひ美味しく楽しく味わってくださいね。
Special Thanks
●廣間組有限会社
http://www.hiromagumi.co.jp
土木建設事業者でありながら、地域を多面的に守る役割を担っている。
現在、木頭ゆずなど地域の文化を伝えるツアーなどを企画中。
●柚冬庵 くるく http://kuruku.cafe
木頭ゆずの生産と、加工品の製造販売、ゆずや地元食材を使ったカフェの運営している。